飯豊・北股岳(梅花皮沢)山スキー


高山 光

1991年5月4日(土)〜6日(月) 同行者 渡辺五郎

行動概略

  • 4日 福島県いわき市の高山と船引町の渡辺、日中、合流して夕方に長者原キャンプ場テント泊。一泊500円。
  • 5日 5時前より行動開始。約8時間後登頂。1時間ほどの滑降を堪能して、3時間の徒歩でキャンプ場へ。テント泊。
  • 6日 帰り道、五色温泉に入りつつ、探索しつつ帰途につく。

5月5日(日)

4:00 起床 晴れ 外気0度。寒い。手が冷たい。

4:45 出発 飯豊山荘までの道を歩く。除雪されているが所どころ雪の壁あり。途中でおにぎりを食べるも、冷たくて氷のようである。

6:00 飯豊山荘 ここから雪が少しある。イワナ釣り師がいた。橋を渡ってすぐの梶川尾根登山口にマンサクの花が咲いていた。

6:35 温身平 ここまで車で入れるようだ。立派な道標あり。砂防ダムから遠くに白い山々。右の方に北股岳、梅花皮沢の上部の一部が見える。スニーカーがだいぶ濡れて来た。斜面にイワウチワ。担いだスキーが枝にかからないように慎重な歩き。左は沢へ切れ落ちている。木はあるものの落ちたら大変な労力かかる。飯豊山荘にテント泊した女性2人いた。

8:00 梅花皮沢入り口 雪渓の末端、クレバスのような口がぱっくりぱっくりとあいていて日本離れした光景。さらに行くとドーンと雪渓が広がってまるでヨーロッパにいるみたい。気分が高揚する。雪渓にテント張った人たくさんいる。アプローチ楽でいいよなーとおもいつつ、夜は寒いだろうな〜。五郎さんはサブザックにスキーをつけ、兼用靴を袋に入れて持っている。自分はすべてザックにいれて担いでいるのでとことことことこ進み、間があく。

8:30 靴履き替え(850m付近) スニーカーはびちょびちょに濡れてしまっていた。靴下まで濡らしたことを後悔する。が、兼用靴の雪をモノともしないつくりを足裏で感じ、歩く事が楽しくなり、またぐいぐい進む。今まで石転び沢と思っていたのが左へカーブしたらまた別な雪渓がドドーンと広がる。こっちの方がきれい。で、これこそが石転び沢であった。このカーブが石転びの出会いであり、いままで見ていたのは門内沢。よりいっそう歩きに力が入る。なんだか調子良い。五郎さんは少々遅れ気味。とおーくに人の点々・・・登ってるのか下ってるのか、人なのかモノなのかわからない。スコーンとした風景に目が錯覚起こしているようだ。すぐ近くに見えるゴールがなかなか近づかない。斜面が急になる。前のグループもバテているようで超スローペース。スキーで降りてくる人もちらほら。いつもならこの辺はガリガリの氷らしいが、今日は2〜3日前の降雪で40センチほど積雪あり。つぼ足で十分のフカフカ雪。朝日を受け、柔らかく腐ってきているので足をとられつつ滑っていた。

12:25 梅花皮沢小屋 やっとの思いで到着。小屋は開放されていて何人かいた。通常はここで一泊するのだろう。ここまで7時間半。日帰りは超健脚向きだよなとつくづく実感。
北股岳ピストン 今日の自分はほんと好調なので、五郎さんのご厚意で北股岳を一人空荷ピストンする。12〜3分で登ってしまった。日頃トレーニングしてたおかげだなと登頂の喜びをかみしめて下山する。天気が味方となると無敵である。

13:40 スキー滑降開始 急な斜面は少し腐った雪でもよく回る。が、ついついオーバースピードに。五郎さんや下山者の目の前で大きく転ぶ。ううう。下りはやはり五郎さんが上なのであった。奇声を発しながら見事に滑りおりる。落石、雪渓に注意。斜面が暖かくなると一層重くなる雪。ごまかしでは回らないスキー。重ザック担いだ登山者の前で何回も転んでしまった。さっきの上機嫌はどこへやら。自信なくして初心者に戻ってしまった。途中、秋田なまりのおっちゃん、いつもなら上はガリガリ、小石などがあって汚くボコボコにくぼんでいてスキーどころでないらしい。今日はラッキーだったのだった。さらに下では豊栄山岳会の青年2人、「のめしこいて」なんて懐かしい新潟弁聞け、五郎さんと感動する。いいな〜。

14:30 スキー終了 雪渓の末端、クレバスのところでスキー終了。たった50分であった。登り4時間半・・・。五郎さんの提案実験で、兼用靴のまま土の上歩いて帰る。自分のはあまり足に合ってないからか、痛くなる。歩きやすくなったとはいえ、やはりスニーカーにはかなわないだろう。沢に転げ落ちないよう慎重に慎重に歩く。すごく歩きづらい。

16:35 飯豊山荘

17:45 長者原キャンプ場 隣の家族連れに「すごい色!」と言われる。顔である。今回はそうとうヒリヒリした。なんにも日焼け対策しなかったが、こういうところではするべきであった。しかし、日の出から日没まで丸まる行動。下界の生活がストップしてたようでまるでタイムスリップでもしていた気になった。濡れた靴下が不快だが、少し気が大きくなっていた。ビールとラーメンを仕入れ、ラーメンは五郎さんが作ってくれた。これが本当にうまかった!酔いもまわって大きく息して目を閉じていた。靴下も乾いたらしい。長い一日が終わった。


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