エーデルワイス



1 雪は消ねど 春はきざしぬ
  風はなごみて 日はあたたかし
  氷河のほとりを 滑りてゆけば
  岩陰にさく アルペンブルーメ
  紫匂う都をあとに 山にあこがれ 若人の群れ

2 エーデルワイスの 花ほほえみて
  するどき岩角 金色に照り
  山は目覚めぬ 夏の朝風
  乱雲おさまり 夕空はれぬ
  命のザイルに わが身をたくし
  思わず仰ぐ アルペングリューエン

3 星影さやかに 空すみわたり
  葉ずえの露に 秋立ちそめぬ
  女神のごとき 白樺の森
  金と銀とに よそおいこらし
  くれない燃ゆる 山より山へ
  行方も知らず さすらいゆかん


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