「長次郎谷 つめれば 剱の頂上に 息を切らして もう一歩」

 剱岳について

H22.12.15
高橋小一郎

 OB会会長、斉藤勲君の言う「惚れた山」の一つに先ず剱岳を挙げたい。
別山尾根からの登頂ルートが「蟹の縦這い」で待たされるのが嫌で、長次郎雪渓をつめて登頂し、平蔵の雪渓を降りるのが好きだった。
 長次郎雪渓上部では、八ツ峰の岩場で、岩登りしている人を見上げて、心を躍らせたものだった。
  文部省の登山研修所で開かれた研修会が剱沢で現地解散した際にも、長次郎に入り、八ツ峰5・6のコルで休息して岩登りを眺めた。
 昨年、「剱岳・点の記」を読み、その本の裏書にはこう記してあった。

「H21.4.10 天皇・皇后ご成婚50周年
渋谷書店に予約して入手、その日の中に一気に読了す。
登山生活の中で、最も愛して止まなかった剱岳に想いを馳せながら。」

と。
 そして、その夏、映画化された映画で更に感動を深め、山案内人、宇治長次郎の人柄に一層感銘を深めた。BSテレビでも見逃さずに見た。
 長次郎谷を「剱の詩」に唄ったのは、彼に対する尊敬と敬愛の念と「惚れた山」への想いからである。
 今、私の手もとには、岳友がわざわざ私の為に撮ってくれたBSテレビからの長次郎の山案内人姿の写真があるので大事に保存しておきたいと思っている。
  昨年の夏、未だ行ったことのない、剱の裏側(西面)馬場島から、池の谷、早月尾根を通した剱の姿を一目眺めて冥土の土産にしたいものと、かつて三条工業に在籍され、私に岩魚釣りを教えてくれた、黒部川育ちの山男、若島正毅さんに頼んで計画していたのが、梅雨明けも遅れた上にあの猛暑続きで、私の足がすっかり弱って、計画を断念したのが今だに残念でたまらない。

【OB会で「剱の詩」について話される高橋先生】