斎藤勲氏 山への思い(短歌作品集)


2020年、21年 短歌五首(「山と渓谷」掲載)

2019年 短歌六首(「山と渓谷」掲載)

2017年、2018年 短歌九首(「山と渓谷」掲載)

いにしえに銀を運びし道に立つ
     合目の標は往時を語らず
 (「山と渓谷」2016年10月号掲載)

凍てつきて靴撥ねかえす堅雪に
        闘志掻き立て雪稜を攀づ
 (「山と渓谷」2016年8月号掲載)

ラッセルのトップに立ちて道拓く
        凍てつく尾根は雪の花咲く
(「山と渓谷」2016年6月号掲載)

シュカブラのお機屋に立ち大展望
            越後三山白銀壮麗
(「山と渓谷」2016年4月号掲載)

頂に浅葱斑の飛翔せり
    大海原への闘志抱きて
    (「山と渓谷」2015年12月号掲載)

深き雪掘りて小暗き小屋に入り
    円居の榾火急ぎ熾さん
     (「山と渓谷」2015年6月号掲載)

風雪のラッセルに耐え登りきて
    白湯回し飲む九人の仲間
   (「山と渓谷」2015年4月号掲載)

いにしえの人も歩みし峠道
    たどりてゆかりの木蔭に憩う
 (「山と渓谷」2015年2月号掲載)

豹紋蝶群れ飛び薊に停まりたり
       初夏の守門岳の花の稜線
(「山と渓谷」2014年12月号掲載)

吾策像 山を見守る横顔が
   初夏の陽ざしに眩しくきらめく
 (「山と渓谷」2014年10月号掲載)

アイゼンがきしむ凍れる岩を越え
       寒気顔刺す赤岳に立つ
 (「山と渓谷」2014年8月号掲載)

残雪に空行く雲の影映し
      青空高く駒ヶ岳は麗し
 (「山と渓谷」2013年12月号掲載)

春風に誘われ残雪の山を攀じ
      雪割草の咲く谷に立つ
 (「山と渓谷」2013年8月号掲載)

灯明のひととき揺れて鎮まれり
  キャンジン・ゴンパに氷河風入る
 (「山と渓谷」2013年6月号掲載)

ラッセルの先頭に立つ若人ら
       姿勢傾け雪を蹴散らす
  (「山と渓谷」2013年4月号掲載)

秋更けて一人歩めるブナの森
        熊に届けと吹く呼子笛
 (「山と渓谷」2013年2月号掲載)

底雪崩遠くに聞きて攀じゆけば
       雪消の尾根に岩団扇咲く
 (「山と渓谷」2012年8月号掲載)

ブナ林霧氷に白く輝きて
        急登に喘ぐ我を迎うる
(「山と渓谷」2012年6月号掲載)

赤岳へつづく頼みの鉄鎖取り
        吹雪の先の頂きを見る
(「山と渓谷」2012年4月号掲載)

落葉道下れば南の空高く
        山並み蒼し越後三山
 (「山と渓谷」2012年2月号掲載)

ザンゲ岩過ぎれば頂近づけり
       雪煙立ちて稜線に舞う
 (「山と渓谷」2011年8月号掲載)

真夏日を登れば涼しブナ木立
       静けき中に時鳥鳴く
 (「山と渓谷」2010年10月号掲載)

風強きカリガンダキの谷に沿う
     マルファの村に林檎実れり
 (「山と渓谷」2009年4月号掲載)

ダンプスピーク頂に吹くそよ風に
     旗ははためく夢ははばたく
(「山と渓谷」2009年2月号掲載)

雪光る西黒尾根の空近く
       黒き巌のザンゲ岩立つ
(「山と渓谷」2008年8月号掲載)

スンパテの香るモレーンの上辿る
   チョオユーの山並み空の彼方に
(「山と渓谷」2008年4月号掲載)

 

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